はい。すんで埼玉です。
今日はですね、【家購入して「損」したらどうしようの「損」について考えてみる】というテーマでお話ししたいと思います。
議題はですね、まちゃが上げました。まちゃが家を買って、その話を友達とかにして、みんな興味は持つ。だけど、「損したらどうしよう」って言う。

よく言う「なんとなく怖い」の部分だと思うんですよ。

うんうん。そのお化けの正体を突き止めよう(笑)

〈損の正体〉

僕ね、「なんとなく怖い」っていうのが一番嫌なんです。一番イライラする(笑)
そのお化けの正体を解き明かしたいと思うので、それについて話そうと。

でね、この「損」ってなんだ?というところですね。
『経済的な損失』、『感情的な損失』、「損」っていうのも色々あるんです。今回の「損」に関しては、お金に関する「損」だけの話をします。そっちの方がシンプルかなと思うので。

ケーススタディとしては、物件価格5,000万円。
じゃあ5,000万円の家を買ったときに損をするってどういう場合か。分かりやすいのが、5,000万円で買ったのに、買った次の日に売るとしたら2,000万円でしか売れないって例え話。諸費用とかもあるけど、ざっくり言うと3,000万円損じゃないですか。

これを聞いているほとんどの人は、まあ超資産家ではないと思うんですね。そういう人って家をどうやって買うかというと、住宅ローンを組むんですね。現金でそのままボンって払うんじゃなくて。まちゃも35年ローンを組みました。僕が今住んでいる家の所有者は100%妻だから、妻も35年ローンを組みました。なので、ローンを組むってなった時のシュミレーションをします。

今ね、めちゃめちゃ低金利じゃないですか。なので、今回は固定金利でシュミレーションします。フラット35の最頻率、一番出てくる確率が高いのが1.3%らしいので、一旦1.3%とします。これ35年間ずっと1.3%ってことだから、それで言うとどういうことになるかというのを説明します。
不動産屋の多くの人は ※諸費用は除く みたいな感じで※をつけて喋る人が多いんですけど、今回は購入時と売却時それぞれの諸費用を含めた形で、トータルでの「損」というのをお話しできればなというように思います。

まずね、家を買うときに物件価格だけではなくて、買うときも売るときも諸費用というのがかかります。
買いの時の諸費用が仲介手数料。うちも基本的には法定上限の満額頂戴しているんですけれども、物件価格の3%+6万円+税という形。5,000万円の家を買う時だと、仲介手数料だけで税込170万円くらい。他にもローンを組む銀行に対して、融資実行手数料を物件価格の2.2%払ったりする。2.2%ってことは5,000万円だと110万円。その2つを足しただけでも280万円いくわけですよね。そこにプラス登記費用、火災保険、印紙代だったりのその他の諸費用を含めて、ちょっと多めに350万円として見積もってます。

売る時も同じく仲介手数料がかかってくるんだけど、売る時はその融資実行手数料の110万円のところはなくなる。あとは登記の抹消とか、司法書士の先生に払う費用程度なので、購入する時よりは安いって感じ。

あとこれはこういったケースもあるって話なんですけど、融資実行手数料が少ない金融機関もある。例えば楽天銀行だと融資事務手数料は33万円固定。うちの妻が組んだソニー銀行の住宅ローンのプランだと、融資実行手数料に当たるものは5万円だけ。その分金利が高くなりますというパターンがあったりする。ざっくり言うと、買いの時の諸費用としては物件価格の6〜7%くらい。売る時は物件価格の4〜5%くらい見ておいてもらえればいいのかなと。だからトータルで言うと物件価格の10〜12%くらいですよね。

では「損」するっていうところのシュミレーションです。
35年ローンで5,000万円借り入れ、買いの時の諸費用350万円は現金で払うとします。5,000万円を金利1.3%で借りると毎月返済としては14万8,000円。このうち一部が元金、一部が利息。それでどんどん減らしていくと、5年後に5,000万円で借りていたものがざっくり4,300万円になる。月返済の14万8,000円のうち、12万円弱くらいが元金で、3万円弱は金利なので。

あー、そっか。

そう。そうですよ。
利息が銀行の儲けになるってだけだから。だから5年間で700万円残債が減ってる。5年で700万円ってことは1年で140万円じゃないですか。1年で140万円ってことは毎月12万円弱ずつ元金が減っていって、返済していっているわけ。これ元利均等返済のシミュレーションになるので、元金と利息の内訳は月ごとにどんどん変わっていく。
5年後に700万円元金減ってて、10年後はその倍だよね。だから1,400万円減ってる。毎月12万円弱どんどん返済していくってこと。20年後は2,800万円減って残債は2,200万円になっていると。

〈残債割れについて〉

じゃあここで言う「損」っていうのはなに?まちゃが考える「損」ってなに?

残債割れですかね。

あー、残債割れね。
残っている返済よりも低い金額でしか売れない。ということが残債割れ。
まちゃが今年5,000万円で買った家が5年後4,000万円でしか売れないってなったとする。残債が4,300万円だからいわゆる残債割れになっちゃうと。

そうなると300万円を手出しで銀行に払わないといけない。

そうそうそう。
300万円は自分の貯金を崩して、無ければ親からもらって(笑)
というように借金をまた別でして返さないといけない。これがいわゆる残債割れってやつ。

もうちょっと厳密に言うとね、諸費用も込みでその残債ってやつは考えた方がいい。
物件価格のみの残債割れを気にする場合は、5年後に4,300万円で売れたらトントン。

これとは別に諸費用込みで計算します。買いの諸費用が350万円、売りの時も200万円、ちょっと多めに見積もっておくと。そうすると550万円じゃないですか。物件価格のみで5年後4,300万円がトントンだとすると、そこに550万円プラス。つまり5年後に4,850万円で売れたら、諸費用も含めてトントンという感じ。
むしろ4,850万円で売れるってことは、一旦550万円は浮くじゃん?浮くというか口座には550万円一旦残ると。

これね、ちょっとややこしい表現なんだけど、家売って買主さんからお金が4,850万円入ると。そしたら残債と差し引きで550万円一旦残る。で、その内の200万円は売りの仲介さんに払うから出て行く。なので、本当に残るのは350万円。残るんだけどこれも結局最初に買ったときに払っている。だから5年後に4,850万円で売れると諸費用込みでも損はしてないんじゃない?っていう感じ。

でね、これは超ラッキーなパターン。普通買った時よりも物価の価値って下がるから。今市場が狂っていて買った時よりどんどん高く売れちゃっているから、高く売れるのが当たり前みたいになっている。
でもまずはここのライン、諸費用込みでトントン。今回のシュミレーションだと5,000万円で買った物件が5年後に4,850万円で売れた場合は、それは持ち出しがなくてラッキーくらいで考えた方がいい。

あとは4,300万円でしか売れなかった場合もあるよね。5,000万円で買った物件が5年後に4,300万円の残債ちょうどでしか売れなかった場合、そこから仲介手数料とかの売りの諸費用を払わないといけない。住宅ローンはチャラになったんだけれども、仲介手数料とかの諸費用を200万円くらい持ち出さないといけない。

でさ、例えばじゃあ売却の時に残債トントンで売れちゃって、諸費用持ち出すってなったら一時的にその200万円が出ちゃう。それは確かにハッピーケースではないんだけど、ワーストケースでもないんですよね。

なんでかっていうと、結局持ち出し200万円で5年間住めたってことなんですよ。5年間、すなわち60カ月でその200万円を割ると月3万円ちょい。月返済が14万8,000円だから、あわせると月18万円くらい。200万円確かに出ちゃった、マイナスだ、っていう感じになるかもしれないけど、賃貸と比較したときに、お得かもっていう振り返りが出来るかもしれないよね。賃貸だと月25万円かかるようなマンションに、持ち出しの200万円均して、月18万円で住んでいたとする。そう考えたら賃貸に比べたらお得だったねとも言える。

だから「損」をどこの基準に置くかによって見え方が違うよね。
この世の中はリスクリターンで成り立っているわけで、今話しているのは5年後に残債トントンで売れちゃった場合。その場合は確かに諸費用分は持ち出しになっちゃう。でも月あたりで割ると3万円くらいか、みたいな。そこが仮に最低ラインとして許容できるなら、「損」はそのぐらいだよというところです。

あとはね、住宅ローンの返済が進めば進むほど残債割れのリスクというのは低くなっていくことの方が多いです。断言はできないけど。10年後は3,600万円でしょ。3,600万円ってことは、その時に4,150万円で売れたら、それって買いと売りの諸費用550万円も含めてトントンじゃん。
今は上で話した金額に合わせて、売りの諸費用が200万円かかるとしています。ここはちょっと多少前後するので。なぜかというと仲介手数料がパーセンテージなので売却した物件価格に依存するから。4,150万円で売れたら140万円くらい。200万円なんてかからないんだけど、わかりやすくするために数字合わせてます。

要するに、5,000万円で買った物件が10年後に4,150万円で売れるとしたら、それは月返済14万8,000円だけでその家に10年住めていたということ。それを聞いて、こんな立派な家に、アクセスの良いこんな立派な家に、14万8,000円で?と感じられていれば、それは「損」してないんじゃない?
マンションの場合は管理費+修繕積立金で月3万円くらいかかるから約18万円。約18万円でこの家に10年間住めていた、ということに納得できそうであれば、それも「損」してないんじゃない?

つまり、10年後に約-1,000万円になったとしても「損」してないんじゃない?ということです。ここポイントです。今めちゃめちゃポイントを喋ってる。

この質問をね、街に行き交うおっちゃんおばちゃんとかにしてみたとする(笑)
あなたは5,000万円で家を買ったとします。10年後に約4,000万円で売れるってなったらこれ損してるって思いますか?と。そしたら全員損してるって言いそう(笑)
でも、その質問したときに「え?それって金利何%ですか?」みたいな事を聞き返してきたらこいつ頭いいなって思う(笑)どういう前提条件ですかみたいな。

5,000万円で買った家が10年後に約4,000万円で売れたらどうですか?っていう質問に対して、「え?なんか嫌だ!」とかっていうのが一般的な反応だと思う。そうじゃなくて「損」ってものに向き合った時には、その月返済14万8,000円でその家に住めていた。それに関して満足した10年間だったなって言えるんだったらそれは「損」とは言えないんじゃないですか?っていうね。賃貸に住んでいてもお金はかかるんだから。

全くその通りだと思います。

仮にね、5,000万円で買った家が10年後に同じ価格で売れたら、それはもうあざす!って感じだよね。どえらいことになるよね。10年後にトントンで売れたら、850万円くらいの手残りが残る。あざす!みたいな。娘を私立大学に通わせられる資金になるかもしれない。こういうチャンスもはらんでいるのが家購入のうまみかな。

これが5,000万円で買った時と同額でも売れた場合。これは本当にラッキーパターン。

あとは10年後に諸費用込でトントンみたいなところで言うと、4,150万円で売れたらそれはトントン。10年後に買った家が4,150万円、すなわちマイナス850万円で売れてもトントンということです。だから「損」のラインで言うと4,150万円で売れたら損はしないと言えるんじゃないかな、という伝え方になります。

仮に10年後に3,800万円で売れた場合、それは買いの諸費用350万円がそのままマイナスになっちゃった、と。逆に言うとそのくらいのリスク、っていう感じ。

20年後は残債が2,200万円になってるので、5,000万円で買った家が2,700万円で売れたら諸費用込みでもほぼトントンという感じ。2,400万円で売れたら、って、言おうとしたけど、20年前に払った諸費用350万円忘れてるよねぶっちゃけ(笑)そう考えると、20年後に2,400万円で売れたら、それは売る時の仲介手数料とか含めてもマイナスにはならない。20年前の諸費用なんか忘れてる(笑)

絶対忘れてる(笑)

でも諸費用込みで考えると、20年後に2,700万円で売れたらトータルで見た時に損がない。
目の前のことだけ考えると、20年後に2,500万円で売れたら、その暮らしを毎月14万8,000円の返済で買ってたという感じになる。

20年間14万円ちょっとの返済をして「私はこの家に住んで良かったです、当時0歳だった子供も大学生になりました」と思えそうなら、案外悲しくもないだろうということを言いたい。20年経ったものが半額で売れて悲しいですか?って言ったらみんな悲しいって言うと思うんですけれども。

これがすなわち「経済的に損していない」ということ。
10年後に約1,000万円下がっても、20年後に半額になっちゃっても、それって家に住むっていう「暮らしを買っていた」費用。毎月の返済を考えたら「損」してないでしょ。

このシミュレーションを見てね、「あー何かこれだったら受け入れられる」「そのリスクは織り込める」っていうように思えたなら買えばいいんじゃないかな。
以上にします。ありがとうございました!